外国人採用のメリットとは?

  • 2020-6-22


外国人を採用すると、どのような良いことが起きるのか?これはよく聞かれる質問です。弊社では主に4つあると答えています。

1〜3は分かりやすいメリットだと思います。実際、外国人の採用を検討しはじめ、弊社にご相談いただく企業様は1〜3のいずれかがほとんどです。4は、効果を実感するまでに時間がかかったり、実感の仕方が組織によって異なるようです。私のまわりだと、「朝礼の回数が減った」「社内に話しかけやすい雰囲気ができた」「仕事を依頼するとき、相手の状況などを配慮するようになった」「世界中の優秀な人間を採用対象にできるようになった」などの声が聞かれます。

【メリット1】人手不足が解消できる

外国人採用を始めるきっかけとして「日本人の求職者が集まらない」という声がよく挙げられます。人手不足という重大な経営課題に対し、外国人採用は高い効果を発揮しています。

「技能実習制度」や最近できた「特定技能制度」は、まさに日本企業における人手不足に対応するための制度です。下記グラフのとおり、日本国内における外国人労働者は2014年から昨年比10%以上増え続け、2019年には160万人を超えました。建設業や製造業、宿泊・飲食サービス業、卸売・小売業などにおいて外国人雇用は特に進み、各産業の外国人依存度は急激に上がっています。

外国人労働者数の推移グラフ
【参考1】「厚生労働省『外国人雇用状況』の届出状況まとめ」より筆者作成
【参考2】日本経済新聞『外国人依存度、業種・都道府県ランキング』

日本国内では生産年齢人口が減少していく一方、海外には主要産業が未発達の中で働き盛りの人間が溢れているため、今後就労目的で日本にやってくる外国人は増加すると考えられます。しばしば「日本はもうじき外国人に選ばれなくなる」という主張を目にしますが、この属性の外国人、すなわち母国において相対的に貧しい状況におかれ、かつ教育も十分に受けていないけれども、健康で労働力は提供できる人たちについては、増加人数が鈍化することはあっても減ることはしばらくないと私は見ています。理由はいくつかあります。

日本の産業が外国人に依存しなければ存続自体難しい上に、既存産業を破壊して新しい産業を生み出せる環境にないこと

ある国(例としてベトナム)との経済力の差が縮まり、日本にいくメリットがあまりなくなったとしても、より経済力の乏しい国から受け入れれば問題ないこと

給与だけでなく、住環境の良さも含めて外国人労働者は日本に来ていること

日本は生産だけでなく、消費や納税に関しても外国人への依存度を高めるだろうから、積極的に受け入れ制度を拡充するであろうこと

労働集約型の産業や、日本人採用が困難になってきている地域の会社は、今のうちから外国人雇用を検討したり、着手したりするのがいいかと思います。ある程度余力があるときに始めて経験値を積んでおかないと、本当に必要となったとき欲しい人材がとれなくなります。いきなり正規雇用が難しければ、アルバイトやインターンシップ、1年間の有期雇用なども可能なので、まずはやってみて課題点をあぶり出すというやり方もいいでしょう。

【メリット2】海外展開を推進できる

海外に支店や支社を出したり、営業拠点・生産拠点を構築する際に、外国人雇用は有効に働きます。言語、商習慣、法制度、事務手続き、カントリーリスクの調査・把握など、日本人には実現不可能だったり、実現するには時間と費用がかかってしまったりする事柄も、日本語コミュニケーションが可能な外国人を採用することでうまく進めることができます。

自分の会社の強み・弱みや職場環境、社員の気質・正確、経営者の期待など、言語化しにくい部分を暗黙知として実際に社員として働いてもらうことで獲得し、それらを考慮した上で海外進出の力となってくれる点は、雇用することの最大のメリットです。

特に、新たに海外進出をする場合、会社内に情報も経験も蓄積されておらず、外部の専門家に頼ろうにも誰が適任者なのか見定めること自体難しいことがよくあります。ひとまず依頼したとしても、外注によくある「言われたことはやるけれど、言われていないことはできない」状態となってしまいます。依頼主である自分自身よくわかっていないのだから、的確な指示で発注することなどほぼ不可能でしょう。

かたや、自社採用して育てた外国人社員には暗黙知が蓄積されています。言語化しづらい部分にも気を回し、情報収集や交渉等を進めてくれます。もちろん、その人が責任を持ってプロジェクトを率いるだけの素質があるのかを見定めたり、リーダーシップを発揮できる育成や環境を与えたりは、会社として取り組まなければなりません。

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【メリット3】外国人顧客への対応を強化できる

コロナウイルスで渡航が制限される前、訪日観光客は凄まじい勢いで増加し、『インバウンド』が大切なキーワードとなりました。アフターコロナにおいても、身体的には来日が制限されようと購買活動は拡大していくと思われますので、非対面でいかに外国人顧客を取り込み、モノやサービスを買ってもらうかは重要なテーマであり続けるでしょう。

インバウンド消費を取り込むためのマーケティング、カスタマーサポート、クリエイティブ制作などにおいて、外国人の採用は大きな力を発揮します。特に、外国人労働者の中でも「高度外国人材」と呼ばれる知的生産者たちは、このような仕事に高い関心を持っているため、想像以上に低いコストと労力で、とんでもなく優秀な人材を獲得することができます。

私が日頃キャリア講義や個別面談を行っている人たちも、その多くが高度外国人材に該当します。そして、採用支援をさせていただいた企業様は、90%以上が翌年もこの属性の人たちを採用しようとします。その中には、外国人社員0人の状態から1年半で8カ国の人たちを採用し、グローバルチームを作り上げた会社もあります。言葉や価値観、行動様式の違いはあるものの、達成すべき目標に対して自ら考え動くことのできる人たちなのでマネジメントは思ったよりも簡単、ということでした。

高度外国人材は、どんな人たちか?

【メリット4】組織に新しい活力をもたらす

外国人採用の最大のメリットは「組織に新しい活力をもたらす」であると私は考えます。世の中のしくみが目まぐるしく変わり、その速度は今後ますます早まると考えられる現代において、「変化を受け入れる力と変化をつくる力」が個人にも組織にも求められていくでしょう。伝統や旧来の方式に従ってのみ思考・行動するものは、あっという間に淘汰されます。少し先の未来を考えたとき、違いや変化に強い個人・組織づくりは、重要な経営課題なのです。

外国人雇用を始めたとき、ほとんどの企業は言語・価値観・行動様式のギャップを埋めようとして、「日本語」「伝統の価値観」「既存のマニュアル」を外国人社員に教え込みます。確かに、外国人雇用の初期段階においては、この方法がコストもあまりかからず着手しやすいので仕方ないと思うのですが、組織側とそこで働く個人も変えていかないと、明るい未来はないと考えます。外国人雇用にある程度慣れてきたら、違いや変化を受け入れ、適応することに取り組むべきです。

『社内公用語を英語にする』というのはわかりやすい例でしょう。日本語よりも英語の方が経済面で圧倒的に価値が高いことは明白なので、社内の人間全員がある程度の英語は扱えた方がいいでしょう。日本人だけの組織においては推進できなかったけれども、外国人が社内にいれば進めやすくなります。普段使わない言語を使わされるので、社内の抵抗は当然大きいでしょうが、それだけの見返りはあるでしょう。

もっと詳しく知りたいなぁ・・・

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中村拓海

高度外国人材に特化した人材コンサルタント。人材探索から在留資格申請、入社後の日本語教育、ダイバーシティ研修等、求人企業の要望にあわせた幅広いサービスを提供する。また留学生専門キャリアアドバイザーとして東京外国語大学、横浜国立大学、立教大学、創価大学等で外国人留学生の就職支援を行い、80カ国・500名以上の就職相談を受ける。内閣官房、内閣府、法務省等の行政および全国の自治体における発表や講演実績も豊富。

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