日本が世界に誇れるものの一つにトイレがあります。清潔で快適、便座が暖かく蓋が自動開閉する。これほどトイレが快適な国は他に無いでしょう。
日本に住んでいる人は使い慣れていても、外国から来た観光客には多機能過ぎて使い方がわからないこともあります。そこである大学の授業で、日本語が堪能な留学生に課題が出されました。
【音姫】をどのように英訳しますか?
トイレの【音姫】ボタンのところに書きますから、短い一言で訳さなければいけません。短い一言で、その機能がはっきり伝わる訳し方が必要です。意外と難しいと思いませんか?
皆さんも少し考えてみてください。
色々な回答が返ってきます。そのまま訳した「Sound Princess」。もちろん意味不明で不合格です。「Sound」と訳した学生もいます。しかし「Sound」だと「緊急呼出ボタン」と勘違いされる可能性があります。誰もボタンを押さないでしょう。
こうして考えていくと、【音姫】の訳し方は海外進出の基本的な部分、「文化理解」の要素をはらんでいることがわかります。もしあなたが音姫を搭載したトイレの営業担当者で、海外の展示会のブースに座っているとします。【音姫】ボタンをどのように説明しますか?
この課題で最高点を取った回答は、【Privacy】でした。
「このボタンを押せばプライバシーが保たれる」ということが伝わり、音姫を全く知らない旅行者でも安心して押すことができます。ボタンを押すと水が流れる爽やかな音が聞こえ、不快音をかき消してくれます。旅行者は日本の細やかな気遣いに感動するかも知れません。
もしあなたが海外の展示会に出展する担当者であれば、この【Privacy】の回答を出した留学生を同行させたいと思うのではないでしょうか?【音姫】機能の素晴らしさ、自分が日本で初めて音姫を使ったときの感動を、ブースに来たお客様に現地語で熱く語ってくれるでしょう。
これこそが、国際人材(グローバルタレント)で成功させる最強の海外進出です。
グローバルタレントの力で日本企業の海外進出をサポートする【株式会社PILOT-JAPAN】代表。及び、多言語Web支援を行う【PJ-T&C合同会社】代表。キャリアコンサルタントとして500名以上の留学生や転職を希望する外国人材のカウンセリングを行ってきた。南アジア各国に駐在、長期出張経験があり、特にネパールに精通している。