外国人社員は、なぜ日本で働くのか?何を喜びとして感じ、何に不満を抱いているのか?
外国人留学生の就職支援や外国人社員の転職支援に携わり続けているソーシャライズが”ホンネ”に切り込みます!
※写真はイメージです。
はい。私は2017年に中央大学を卒業した後、新卒として人材会社に就職をしました。そこで、現在は新卒の採用コンサルティングの営業をしています。
大きく分けて2つの仕事をしています。
一つが法人向けで各業界の企業さんに、どういう風に採用をしたらいいのか、どういう人を採用したほうがいいのかというような採用についての悩みをヒアリングし、解決につなげていくような提案の営業をしています。
あともう一つの仕事は新卒の大学3~4年生の学生に対して自己分析の面談や面接対策などのカウンセリングを行っています。これが私の仕事です。
中には会うたびにお土産をくれるような仲のいいお客さんもいて、毎年2~3人の人材を紹介して信頼関係を築いています。
入社一年目だった2017年はとても大変でした。何が大変だったかというと、今やっている会社は少ないかもしれないですけれど、テレアポというのを最初の3か月間やったんです。企業に電話をしてサービスの営業をするというのを研修として3か月やっていました。
何がつらかったかというと1日100~200社くらいに営業の電話をするのですが、週ごとにもアポ件数のノルマがありました。私はそこのノルマが全く達成できず3か月のテレアポの最後の週にやっと1社アポが取れました。
そこは就活の支援ができない企業ではあったのですが、とても嬉しかったことは覚えています。
その後3か月のテレアポ研修期間も終わり、つらい期間も終わりかと思いましたが、その次の3か月は飛び込み営業の研修でした。それは対面式の営業なので電話営業よりも難しく、さらに1日ずっと70社~80社回っていましたが、8割の会社に無視され心が折れました。
最初の半年間は、なんで日本に来たんだろうと思うぐらいに本当に辞めたいと思っていました。
研修が終わって新卒の部署に配属されてからやっと、というかんじですね。はじめは先輩から企業の担当を引き継いだりしていましたが、1年目の終わりに初めて成約させました。その人は理系の学生で就活に困っていたので、技術系の企業を紹介したところ無事就職することができました。その後は困っている就活生を手伝ってあげたいなという気持ちが強くなっていきました。
個人だけでなく企業に対してもすごくいい企業なのに(求職者からの)人気が出ないとか。そういった両者の役に立ちたいという思いから学生と企業のいいマッチングを作れるようになるとやりがいを感じるようになりました。
最初はこの会社で3年働くとは思っていませんでしたが、今は毎日楽しく仕事をしています。
やはり、営業の仕事なので数字が求められます、毎月何人決められるんですか、とか。そう言った目標を達成するためにどうしていくのかを決める作業がとても大変です。
そういった中で私の周りの先輩たちはとてもやさしいながらも指摘してくれたのでとても助かりました。
周りはみんな日本人ですが、外国人だからと特別扱いされることはなく、優しい人たちに囲まれていると日々実感しています。それまで日本語のコミュニケーションに特に苦労はしていませんでしたが、実際入社してからニュアンス的なものであったりとか、日本企業特有の暗黙のルール、特に本音と建て前の部分に最初は気づかないということがありました。
私は常に使用する表現がストレートだったので、全然そのつもりはないのに相手を責めているような印象を与えて傷つけてしまった。そう言ったこともあり微妙な日本人のニュアンス表現に悩んでいました。しかし、そういったコミュニケーションの場面でも私の先輩が的確なアドバイスをしてくださった結果、最近は表現も丸くなったと思います。
営業をしているといろんなお客様がいます、例えばこの私たちのサービスに全然興味がないと説明している間に目をつぶってしまったりだとか。そういう人もいるのですが、それ以上にいろいろないい人と出会うことができて今は営業がたのしいです。
また、去年から学生の就活アドバイザーを行っているのですが、その関係上国家資格のキャリアコンサルタントの資格を取るための勉強もしていました。結果は、学科は不合格だったんですが、実技は合格することができました。
勉強しながらも思いましたが、みんなの人生の大きな影響を与えることができるのが、この仕事の醍醐味だなと感じています。
私は人材業界に特化して就活に取り組んでいました。そこから3社の内定をもらい、その中から今の会社を選びました。大きく失敗してから急に成功という流れがあったのですが、それをふくめて改めて考えたときに内定をもらうコツは2つあるとおもいます。
一つは自分の「軸」を決めたことだと思います。その軸というのは、仕事で何をしたいか、何を大事にしたいかを考えるということです。これによってかなり差が出てきました。
あともう一つは実際にこの会社に入って何をしたいのかを明確にしました。
この2点だけでかなり内定がとりやすくなったように感じます。逆に今までなぜ最終面接で落とされていたのかを振り返ってみると、自分がやりたいことがほとんどないということに気づいたんですね。
入社するときの条件としてこの会社が自分の興味ある業界で会社規模が大きいのか、福利厚生がいいのかなどそういった条件面ばかり考えていました。なので、入社後何をしたいですかと聞かれたときに何も答えられず、その結果落とされてしまいました。
なので私から言えることとしては、就活では自分の軸ややりたいことを明確にしておくことが大事ということです。
就活当初はかなり順調に進んでいて「自分だったら問題ない」という自信があり、興味がある業界だけを受けていたのですが、最終的にいきたい会社に全部最終面接で落ちて2週間ぐらいものすごいへこんだんですね。その時に落ちた会社で入社後に何がしたいか考えたときに何も自分の中で具体的な答えが出てこなかったんです。
それで次目指す業界を決めるときに冷静に考えてみたら、どうしてもこの就活でうまくいかなかったのが悔しくて、同じような経験をほかの人にしてほしくないという気持ちが芽生えていったんですね。
自分が就活で行き詰ったから、これからの就活性を手助けしたいという思いに至りました。就職という人生の大事な選択にアドバイスをして影響を与えられる仕事がいいなと思い、それが結果的には軸になったんですね。
あと、自分がまけず嫌いなところがあり、せっかく日本に来たので成長したいとずっと思っていたことと自分の日本語能力の3つが大事な要素として軸になったと思います。
「軸を考えなさい」といわれても「軸って何?」ってなると思うんですよ。でも私の場合は就活で失敗したからこそ就活で何が大事かというところに気付けたのだと思います。自分が感じているところに正直に向き合って言葉にすることで、やりたいことや軸が定まっていきました。(続く)
次回はもっとホンネに切りこみ、そのまま生の声をお届けします。
外国人雇用に関する綿密な調査と積極的な情報発信を手掛ける新メンバー。『グローバル』や『ダイバーシティ』という単語がメディアを踊る中、外国人を頼れる仲間として雇用する企業・団体が増えていかない現状に課題を感じ、海外で過ごしてきた自身の経験も活かしながら記事を書いています。