【外国人社員のホンネ】Hさん(人材業界×営業職×中国・北京)ー②

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場もほぐれてきたので、Hさんのホンネに切り込んでいきます。

ーー 今日は本音を話す場なので、普段は言えないようなことを聞いてもいいですか?(笑)
いいですよ、してください(笑)
ーー 現在の職場でイラっとすることは?
メールですね。ショートメッセージやLINEで一言で済むこともわざわざ「お世話になっております、○○です」から始めて内容を説明して、っていうそういった過程がめんどくさくないのかなって思います。
ーー 業務が非合理的な感じがするということですね?
そうですね。あとはうちの会社特にそんなに嫌なところないんですけど、飲み会もあんまりすきじゃないです。例えば、他部署などそんなに親しくない人の送別会の出欠があると、行くか行かないかとか悩むのが面倒。
ーー 飲み会は断りづらいですか?
そうですね、はい。断りづらいです。でも2年目になってから「行かないです」といえるようになりました。
ーー 行かないっていう返事をしたときに周りの日本人の反応はネガティブな感じでしたか?それともあんまり気にしていない感じでした?
うちの会社は飲み会を断ってもそれほどネガティブな反応はないです。ちゃんと行かないって言えば大丈夫です。
ーー 研修の時に困ったことはありましたか?例えばマニュアル渡されて「これ読んどいて」みたいな。
そうですね。社会人になって日常生活で使わない日本語も出てきて、はじめはわからないことも多かったので、マニュアルもそうですけどいろいろ細かい規定とかそういうのを全部覚えていく作業はすごく大変でした。

あと、これは私の業界特有のことだと思うんですが、営業でいろんな業界の企業を回ったときにIT業界や製造業などは専門用語が多く、何を言っているか全然わからなかったです。

ーー そういう時はどうするんですか?
ききますね。相手の企業の担当者に。
ーー 直接?
そう。「すみません、勉強不足なんですけど…」という枕詞を置いて(笑)
ーー なるほど、これはテクニックですね。
あと、一年目の時は経験がないので「入社したばかりなので教えていただいてもいいですか」といって聞いてました。
ーー その言葉も便利ですね。そう言ったテクニックってどこで覚えたんですか?
これは、どこで覚えたかとかそういう話ではなく、「何もわかっていない人だ」と思われたくなかったので、そういうクッションの言葉を入れて聞いたら聞かれるほうもうれしんじゃないかなと思って。
自分が下手に出たら向こうも楽しく回答してくれるのではないかと自分で考えてそういう言い方をしていました。
ーー そういういわゆる日本人的な考え方っていうのは学生生活の中で知ったのか、それとも就職活動をしていく中で知ったのか、あるいは会社に入ってからインプットされたのかどれですか?
自分でもあんまりそういった自覚はないですが、おそらくそういった配慮の仕方というのは大学のと気に周りが教えてくれたので自然と身についたのではないかなと思います。こういう場面ではこういう話し方をしたほうが気持ちよくコミュニケーションがとれるよ、というのは学生時代の周りにいた日本人から教わりました。

入社してからも確かに周りの先輩にアドバイスをいただくことも多々ありました。例えば、テレアポが取れないときにも「新人なのでお願いします」と粘るのもありだよ、とか(笑)

ーー 面白いですね、でも私だったらその電話切りますね(笑)会社の暗黙のルールっていうのはありましたか?
報連相じゃないでしょうかね。例えば部長からのグループへのメッセージに返信しなかったら後日指摘されるとか。

あとは、私は仕事でストレスを感じると暴言を発してしまうんですね、「クソ」とかここでは言えないような言葉も(笑)
私の会社はフリースペースなので、ある時私のそういった暴言を他の事業部の人に聞かれてしまって。そしたらその人が私の上司に報告したらしくて上司に後で「周りの士気が下がる」と怒られました。(笑)その時も、「他の事業部の人に私の暴言は関係ないんじゃないのかな?」と思いましたね。
ただ、悪態はつきつつも仕事はちゃんとやっていました(笑)

でもこのことがあって、他の事業部の人からも見られているんだなと気づいて、発言には気を付けるようになりました。周りを見るというか。

ーー 確かに日本は周りに気をかなり使う傾向にあるかもしれないですね。ちょっとした違いとかがネガティブに働く時があるかもしれないですね。
そうですね。自分の言動が周りにも影響を与えることに社会人になってから気づきました。自分のやっていることはどこかで誰かがみてるんですよ、絶対。気を付けたほうがいいなと思いました。
いかがでしたでしょうか?普段は直接聞く機会の少ない貴重な外国人社員としての”ホンネ”をHさんに話していただきました。外国人社員の考え方や想いなどを知るきっかけになれば嬉しいです。しかし、これは一例であって「外国人社員のみんながこのような考え方を持っているんだ」と一般化はできません。いずれの国出身の人でも一個人として捉え、日々のコミュニケーションで目の前の社員を理解しようとする姿勢が必要不可欠だと思います。その良好なコミュニケーションを築く一助にこの記事がなれば幸いです。

外国人雇用に関する綿密な調査と積極的な情報発信を手掛ける新メンバー。『グローバル』や『ダイバーシティ』という単語がメディアを踊る中、外国人を頼れる仲間として雇用する企業・団体が増えていかない現状に課題を感じ、海外で過ごしてきた自身の経験も活かしながら記事を書いています。

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