インドネシアの転職に対する考え方

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こんにちは!インドネシアで日系企業に勤めています小林です。学生時代に語学留学したのをきっかけに、日本で新卒採用で働いた後に転職し、インドネシアで働いています。

今回は、パーソル総合研究所が出している「APAC就業実態・成長意識調査(2019年)」を参考にして、日本とインドネシアの「転職」についてお伝えしていきます。

日本とインドネシア、平均転職回数は?

日本でも転職は一般的なものになってきていますが、海外の方が転職が多いようなイメージはなんとなくあるでしょう。同調査によると各国の平均転職回数は、下記の通りです。

シンガポール 3.1回
日本 2.9回
タイ 2.6回
韓国 2.5回
インドネシア 2.5回
中国 2.1回
ベトナム 2.1回

なんとインドネシアやタイ、ベトナムより日本の方が平均転職回数が高いのです。意外と思う方もいるのではないでしょうか?私もこの数字を知ったときには驚きました。もう少し詳しく数字を見ていきましょう。


APAC就業実態・成長意識調査(2019年)より抜粋

このように転職回数別に見ると、日本は転職経験が無い方が3割と他の国よりも高く且つ2回以上転職をしたことのある方が少ないようです。つまりは、他国に比べて日本は転職経験の無い人が多く、それで平均回数が引っ張られているようです。

2回以上の転職経験がある方が日本では48%、インドネシアでは62%という点からも、インドネシアのほうが転職が身近なものだと分かるでしょう。

同調査での「前職から給与がどのように変わったか?」という質問では、日本は約4割・インドネシアでは約9割弱が「給与が増えた」と答えています。また、転職は良いことだという考えがインドネシアは特に強いというのも同調査でまとめられています。給与を上げるためには転職、転職は良いもの、というのがインドネシアの一般的な考え方なのです。

実際にインドネシアで採用活動をしていると、20代で3-4社経験をしている人は珍しくありません。契約社員で契約期間が切れるたびに転職をしている例などもあります。日本では3年は少なくとも同じところで働くべきとよく言いますよね。勿論数ヶ月の転職を繰り返すジョブホッパーなどは気をつけるべきですが、海外の採用活動は色々違いがありそうです。

周囲を見ると、友人同士で給料をオープンに話す人も多いので、周りに影響を受けて転職する人も多いです。肌感ですが、業界のネットワークが強いひとや経験者であれば、前職から15~30%ほどの給与アップで転職をすることもあるように思います。日本よりも、良い条件・やりたい仕事があればいつでもウェルカムと外へのアンテナを常に張っている感じがあるかもしれません。

以前「インドネシアの給与水準」という記事で、最低賃金が毎年5~8%増えているというのとお伝えしました。これは物価の上昇が著しいため、このくらい上げなければ相対的に今までよりも貧乏になっているということになってしまうのです。日本はどうでしょうか?日本経済団体連合会がまとめた「2021年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果(加重平均)」によると、中小企業の賃金上昇率は約1.7%。経済成長率など状況は異なるので当然ではありますが、お互いに転職や昇給についてこれだけ「当たり前」が異なるのです。

転職する人をどうやって引き留める?

インドネシアでマネジメントをしている日本人の方々と話すとよく出てくる話題です。それだけ多くの方が頭を抱える悩みのようです。ズバリ結論として出てくるのは「給与アップとロイヤリティを上げる」です。

既に他の会社からオファーを貰っている場合には、同額もしくはそれ以上の金額を出して引き留めるケースが多いようです。上げられる金額にも上限ありますし、頻繁に上げることも難しいでしょう。

もうひとつ大切とよく挙げられるのが「ロイヤリティ」です。ロイヤリティが何かを一言でまとめるのは少し難しいですが「この会社で働き続けることが幸せ」と思ってもらえることかなと思います。ロイヤリティのためにこういった取り組みをしているケースをよく伺います。

  • 誕生祝い
  • 結婚・出産祝い
  • 社員の家族も含めた社員旅行
  • Tシャツなどのグッズ作成

一見、そんなこと?と思ってしまいそうですが、チームワークや職場の雰囲気の良さをを重視するインドネシアではとてもとても大切な要素です。企業や部署のサイズによってはすぐ始められることではないでしょうか。社員旅行などはかなり気合を入れて企画から頑張っている人が多いようです。実際に、私の前職でも社員旅行などは人事のみならずみんなが積極的にやっていて、とても印象的でした。

まとめ

日本で働いてからインドネシアに移り、働き方で驚いたことを挙げてみました。

  • 転職へのアンテナの高さ
  • 転職回数の多さ
  • 勤続年数の短さ
  • 転職での給与アップ
  • 社員旅行などの本気度

転職はキャリアアップのひとつで積極的にしていくものというのがインドネシアの一般的な考え方です。一方で、誕生祝いや社員旅行などでチームへの帰属意識を上げるためにはウェットなやり方が必要といったところでしょうか。

インドネシアはイスラム教徒の方が多いのと家族を大切にする方が多いので、歓迎会・忘年会といった飲み会などの夜のイベントがとても少ないです。誕生祝いや社員旅行といったイベントが代わりの働きをしているのかもしれません。

日本の企業が外国人人材を受け入れる際に全てを同じように取り入れるべきだとは思いません。入社する方も、何が自分の国の当たり前で、何が日本の当たり前なのか分かっていない場合もあるでしょう。受け入れる側として、入社される方の国・地域ではどういった働き方が一般的なのか調べるなどし、丁寧にコミュニケーションをとってすり合わせるなどが出来ると良いかもしれません。

一番大切なことは「同じ”当たり前”は無いこと」を理解した上で一緒に働くことかなと私は思います。せっかくのご縁で一緒に働くことが出来るのですから、お互いが気持ちよく・且つ良いパフォーマンスが出来るような環境づくりを目指したいですよね!

学生時代と社会人で二度のインドネシア留学を経て、現在はジャカルタにて日系IT企業の現地法人立ち上げに従事。 日本語・インドネシア語・英語を駆使し、現地のIT人材と日本のIT人材の間のコミュニケーションをサポート。 英語などの非母語での業務、外国人として海外で働いて得た気づきをお伝えします。

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